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うつ病(鬱病)について

 

お正月が明けて、あっという間に1か月が終わりました。寒波や降雪は少しずつおさまり、日差しも柔らかくなりはじめたので、窓の外の街路樹がどことなくほっとしているように見えます。

 

年末年始は一年のうちでもっとも緊張するときです。

 

年の瀬に一年を終える雑務に追われ、三が日が明けてからは、「仕事初め」と称し、心の張りと慎重さをもって新年のページをめくり始めます。人々の胸は前向きな抱負であふれ、1月の街はお正月の華やかさがそのまま漂っています。

その1月を超え、2月も半ばを過ぎたころから少しずつ、「どこか調子がよくない」と受診される方がみられ始めます。おそらく「去年より良くあろう」と張りつめていた心の糸がたわみはじめ、年末年始の疲れもあいまって、エネルギーが枯渇するのでしょう。「年明けから頑張りすぎました」と言われる方も多く、その傾向は新年度の始まる4月からさらに強まり、じめじめとした梅雨どきくらいまで続きます。

 

うつ病(鬱病)はひと昔前は「心の風邪」だと呼ばれていました。しかし今はそのような表現をする医師は多くありません。近年の研究に伴い、うつの状態は、脳の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリンなど)が、受け渡しのバランスを一時的に崩しているのだとわかり始めたからです。つまりうつ病は心の病気ではなく、脳の機能障害なのです。脳のスイッチが「ものごとを良くない方向に運ぶ」ように入ってしまい、自分の努力ではどうにもなりません。それらは、神経伝達物質のやりとりを薬物療法でサポートすることで改善します。その役目を担っているのが「抗うつ薬」や「睡眠導入剤」などのお薬です。

 

またうつ病(鬱病)を「自律神経失調症」と呼ぶ先生もいます。これは主に身体症状(胃腸症状、呼吸器症状、動悸、発汗、痛みなど)を主訴とする患者さんにつけられる病名です。自律神経とは、全身に張り巡らされている「自分の意思ではどうすることもできない神経」です。例えば私たちは、心臓を思いのままに拍動させたり、胃腸を自由に動かしたりすることはできません。そのような自律した臓器を司る神経の総称を「自律神経」と呼び、交感神経と副交感神経にわかれます。自律神経は環境変化やストレスに非常に弱い神経です。頭と心と体は常につながっていますので、脳の機能障害であるうつ病は、身体症状(自立神経症状)も引き起こします。

 

うつ病(鬱病)は進化し、現在その診断の裾野を広げられるだけ広げつつあります。そのため「うつ病」であると正確に診断するには時間を要しますが、当院に来られた患者さんが何らかの「抑うつ状態」に陥っているのは確かです。まずはその状態を見極め、程度を測り、どのような薬物療法で治療するのが最善なのか判断する。これが心療内科・精神科に与えられた役割であり、果たすべきことであると私たちは考えています。

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